不動産はドラマ

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【マンション買取業者の営業マンの仕事内容に密着】不動産未経験から転職できる?

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こんにちは!現マンション買取業者の営業マンをしている「とんりぷ」です。

 

前回から気になっていましたが、この業種は呼び方がたくさんありますね。「マンション買取業」とか「区分屋」「区分買取」etc...

 

混乱を未然に防ぐため、このブログでは「マンション買取業者」で統一しようと思います。 

 

※「区分」・・・マンションは一室ずつ所有者が区分けされているので、このように呼ばれることが多いです。

 

ということで、今回はマンション買取業者の営業マンの仕事内容をお伝えします!

 

拙い文章ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

マンション買取営業マンの仕事内容 

マンション買取業者の仕事内容を大まかに分けると3つ段階があります。 

 

  • マンションの仕入れ(仕入れ=買い取ること)
  • 内装工事(リノベーション工事)
  • 完成物件の販売 

 

マンション買取業は「買って、直して、売るだけ」の簡単なお仕事。中古時計屋が壊れた時計を買い取って直して売るのと理屈は同じです。 

 

それではこの3つの段階に一つ一つフォーカスして、より詳細な仕事内容をまとめていきます。

 

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マンションの仕入れ(買取)

マンション買取業者の最初の仕事は、マンションを安く仕入れることです。

 

言わば買取業は転売商なので、この仕入れの段階がとても大切です。

安く仕入れられればその分の利幅が取れますし、逆に収益計算を間違えて高く買ってしまうと再販売時に物件が売れず事業計画が破綻します。

 

そして、この仕事は仕入れるまでが一番キツイです。

逆にここさえクリアすれば後の内装工事や完成物件の販売はそこまで辛くありません。

 

それでは、買取業者の生命線とも言えるこの仕入れのステップを7項目に分けて順を追って解説していきます。

 

マンションの買取案件探し

マンションの買取案件をもらうために、まず何をするかっていうと一番オーソドックスな方法は不動産会社への飛び込み営業です。

 

私も新人の時期はgoogle map で不動産屋と検索し、引っかかったポイントにひたすら突撃していました。

案件がない時期は、業者訪問の他にできる仕事がありません。ですから、暑い夏も寒い冬も外回りを繰り返します。

 

1日に何件回るのか

駅とマンションが密集する東京に関して言えば、午前10時から始めて午後18時まで回り続けて、40件が限界だと思います。

 

一つ言えることは、1日歩き回るので靴選びが大切です。営業スタイルとかセールストークを覚える前にまずは靴。

 

 履きなれていない靴で1日外回りすると、気づかぬうちに血豆が炸裂します。怪我防止のためにもアシックスウォーキングを始めとした歩きやすい革靴での業者訪問をお勧めします。

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挨拶と自己紹介

不動産屋に入ったらまずは、

「お世話になってます!◯◯会社の◯◯です!何かマンションで買い取れる案件ありますか!」といった具合で挨拶します。

 

大体の返答は「今は案件ないです。あったら連絡します。」です。

 

このように案件が貰えない状態が続くと人は疑心暗鬼になります。 だんだんと業者訪問への活力を失い、自分の営業のスタイルは間違っているのかと悩み始めます。 

 

最終的には、「チィィッス、何か買えるのあります?」とかフランクに挨拶したほうが逆に案件をもらえるのではないか?と思考が迷走します。(経験者は語る。) 

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ですが、安心してください。

3ヶ月も回り続ければ名刺交換した業者さんから勝手にメールで案件が届くようになります。(これ査定してよ〜みたいな) 

 

業者訪問の当日に案件がもらえることは稀で、大体は後日案件が発掘されたタイミングで連絡がきますから気楽にいきましょう。

 

机上査定とは?

マンションの買取案件をもらったら次は机上査定というものをします。

机上査定とは、このマンションいくらなら弊社で買い取るよというものを大まかに試算することを指します。 

 

※机上査定の方法はまた別の機会に詳しくまとめます。 

まとめました。↓

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この時点ではまだ室内の内見が済んでいないので、仮の値付け状態です。

机上査定で試算した買取価格を案件を振ってくれた不動産会社に伝えて、売主さんの売却希望額と近ければ室内の内見に進みます。

 

ただ、もらった案件の90%ぐらいは机上査定の時点で価格が合わず断りを入れます。

なので、50件ぐらい査定して土台に乗るのは3〜5件ぐらいです。

 

全然関係ないですけど、白いバッファローが生まれる確率は100万分の1らしいですよ。それに比べれば50分の3なんて楽勝楽勝。

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マンションの内見

次にマンションの内見に行きます。机上査定だけでは分からない室内の状態や周辺環境を実地調査をして補填するためです。

 

ポイントをザックリと挙げていきますね。

  • 最寄り駅からの距離
  • 街並み
  • 年齢層
  • 坂の数や角度
  • 治安
  • 外観
  • 共用部(エントランス、廊下等)
  • 室内
  • 床、壁、建具
  • その他設備の状態
  • バルコニーからの眺望
  • 陽当たり

      etc.....

 

まず物件に向かうまでの道のりではアクセスのしやすさと住環境の2点に目を向けましょう。

不動産は立地が9割的なところがあるので、同じ徒歩5分でも坂だらけなのか、平坦な1本道なのかで感じ方が大きく変わります。

 

物件まで到着してからは、外観や共用部(エントランスとか廊下)をしっかり観察します。

マンションの管理状態の良し悪しはこの外観と共用部に現れますから、管理会社がしっかり仕事しているかを確認します。

 

最後に室内です。

まずは写真を撮っても大丈夫かどうか売主に許可をもらいましょう。(大事)

 

工事費の概算を作るため、床、壁、建具、キッチンなど一つ一つの設備に補修や交換の必要があるかを見ていきます。

この内見の過程でヤバイ個所を発見できなければ、物件仕入れ後の内装工事費用が思いっきりブレますので慎重に。

 

バルコニーからの眺望や陽当たりも忘れずに写真におさめて終了です。 

 

不動産購入申込書の作成

室内の内見が済んだので、粗方の工事費が概算できるようになりました。

ここで、机上査定の試算額と工事費を掛け合わせて正式な買取額を算出します。 

 

正式な買取額が決まったら、不動産購入申込書に金額を記載して案件を紹介してくれた業者さんや売主に渡します。

 

この不動産購入申込書は別名「買付け」とも呼ばれ、売買契約前に売主と買主の金額の折り合いをつけるために用います。

 

また、この不動産購入申込書には法的拘束力は有りません。 

 

不動産売買契約(仕入時)

不動産購入申込書で金額の折り合いがついたら売主との売買契約に移ります。

これまでの血と涙の業者訪問が報われる瞬間ですね。 

 

仲介さんが間に入る場合は契約書や段取りを全部請け負ってくれるので、当日はハンコを押す以外にすることはありません。

 

仲介さんを挟まず、売主と買主(自分の会社)の直接取引であれば契約書やそれに関わる書類の準備をします。

 

また、不動産売買契約は契約日と残代金決済日が分かれていることが大半です。 契約日は書類の記名押印と手付金の支払いをして終えます。 

そして、後日の残代金決済日に残りの代金を銀行振込などで売主に支払います。

 

売主買主間の金銭の授受が滞りなく行われたら、マンションの引き渡しを受けます。

これにて、マンションの仕入れ(買取)までのステップが終了です。 

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内装工事〜図面作成まで

安く買えるマンションはどれも訳アリなことが多いですね。室内がゴミ屋敷だったり、築古で設備が故障していたりと現状で居住が困難なケースが大半です。

 

そのため、まずは内装工事で室内を綺麗にする必要があります。

 

室内が綺麗になれば、今度は販売の準備をしなければなりません。

 

どちらも営業マンが段取りを組まなければならないので、それら仕事の詳細や注意事項などを5項目に分けて紹介します。

 

リノベーションとは?

マンションを買い取った後にはリノベーションを施します。

このリノベーションとは、キッチンやユニットバス等を新規に交換したり床や壁を組み直したりして、既存の住戸に付加価値をつける改修工事を指します。

 

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床も壁も設備も全部変えると(俗に言うフルリノベーション)、室内は新築同然に綺麗になりますね。

 

また、室内の間仕切りを壊して間取りを2LDKから3LDKに変えたりなんてこともできちゃいます。

 

内装工事プランを考える

施工店さんと営業で話し合って内装工事のプランを決めます。

お風呂はどんな大きさにするかとか、キッチンは変えずにこのまま残そうとかそういう感じですね。どんな内装をかけたら売れるかを必死で考えます。 

 

例えば、億ションと呼ばれるような高級マンションに、シンクがステンレス製の激安I型キッチンを取り付けると明らかにそこだけ浮きます。

なので、こういった億ションの場合はしっかり大理石を使った重厚感のあるキッチンを設置するのがベターです。

 

マンションのグレードや入居される家族構成を考慮して、その物件に合ったリノベーションを考えましょう。

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工事の注意点

築年数が50年近い物件にはアスベスト(石綿)が発見されることがあります。

アスベストは断熱材や耐火被覆材の一種で、マンションの鉄骨なんかに吹き付けられています。 

 

このアスベストが見つかると、市や区の調査員立会いのもと除去や封じ込めでの工事を行わなければなりません。工事の期間や費用が膨れ上がりますので注意が必要です。

 

以前、他の営業が仕入れたマンションでアスベストが発見されたことがありました。

当初見込んでいた工事費は600万円ほどでしたが、アスベスト業者に除去の依頼をしてみると合計で工事費が1200万円程になりました。

 

分かりやすく例えると、床を全面大理石にして照明にシャンデリア付けられるぐらいの概算です。

 

なので、築50年ぐらいのマンションを案件として貰った際は、念入りな調査と強い覚悟をもって買取に臨みましょう。

 

内装工事が開始

プランが決定したので内装工事が始まります。建具から設備まで全て新規に変えるフルリノベーションの場合は竣工まで2ヶ月ほどかかります。 

 

工事中はたまに顔を出して、職人さんにお茶を渡したり世間話をしながら進み具合を確認しましょう。

 

余談ですが、私はたまに工事の手伝いをしています。

浴槽や便器などに汚れを見つければ、◯落ちくんと呼ばれる特殊なスポンジで徹底的に磨きますね。

 

この特殊なスポンジは本当に優秀で、水垢や黄ばみを落とすことに関して言えば他の追随を寄せ付けない無類の性能を発揮します。 

私はこのスポンジを片手に数多の浴槽と便座をピッカピカにしてきました。

気になった方はぜひ一度試してみてください。 

 

販売図面作り

街の不動産屋に行くと、立て看板や壁中に物件の販売図面が貼ってありますよね。

不動産の販売の際にはこの販売図面が必要になるので作っていきます。

 

どの会社にも販売図面のフォーマットがあるので、それに従って内容を埋めていきましょう。 

物件の広さや間取り、最寄り駅からのアクセス、内装後の写真等をのせてお客様の目を惹くように試行錯誤します。

売れろ売れろと念を込めて、レイアウトを工夫しながら作品を完成させましょう。

 

これにてリノベーションから販売図面作成までのステップを終わります。

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完成物件の販売 

ついに待ちに待ったリノベーション済み物件の完成です。手塩にかけて育てた物件を売りに出すのは何だか感慨深かったりします。

 

では、再販物件を売り出す際のルートや買い手が見つかった後の仕事について、5項目に分けて見ていきましょう。

 

レインズ

まずは王道のレインズ。

 

このレインズは、宅建業者(不動産会社)のみが閲覧や検索できる不動産情報サイトです。 

Real Estate Information Network Systemの頭文字をとって「REINS」と呼ばれています。(めっちゃカッケェ)

 

不動産を売るにも買うにもなくてはならないサイトで、日本中の不動産業者はレインズを見て物件の紹介や販売活動を行っています。

 

なので、今回のように売りたい物件を抱えた場合も同様にこのサイトに登録します。

 

 ポータルサイト

緑のもじゃもじゃをメインキャラクターとするスーモをはじめとして、アットホームやホームズなどの一般向けの不動産紹介サイトにも同時に物件情報を登録します。 

レインズは宅建業者しか見ることができない欠点があります。

 

そのため、日頃より私たちに馴染みのあるポータルサイトに登録しておけば、お客様から直接の反響をもらうことができます。

 

レインズとポータルサイトに物件を載せたら、とりあえずはひと段落。神頼みを始めましょう。

 

売買仲介と媒介を結ぶ

媒介とは不動産の売却を委託する際に結ぶ契約のことです。基本的に媒介の返し方は2パターンあります。

  • 仕入れ時にマンションを紹介してもらった仲介業者と媒介を結ぶ
  • 販売するマンションの近隣の仲介会社と媒介を結ぶ

 

仕入れ時に紹介してくれた仲介業者には恩義がありますので、一番に媒介を返すことが多いです。

逆に、ここで媒介を返さなければ次から仕入れの案件がこなくなります。

 

次に、物件近辺の仲介業者と媒介を結ぶのは、物件紹介の効率が良いためです。地元に根ざした仲介業者であれば土地勘もあるので物件の案内もスムーズですし、何より店舗集客が望めます。

 

東京のマンションを探そうとしている人が、神奈川の不動産屋に行くことは考えにくいですよね。

 

なので、物件の最寄駅の仲介業者などに業者訪問した際に販売図面を配って回ります。

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棟内投函

マンション内で「もっと高層階に住みたい」だったり、「今より広い部屋が良い」と考えてる方の目に止まるように棟内投函をします。

 

みなさんのマンションのポストに入ってる「マンション買いませんか!」といった少しうざったいチラシですね。

 

これ、実は意外と反響があります。

 

「住み慣れている環境を変えずに部屋だけを綺麗にしたい」みたいな需要が一定数あるようです。とにかく物件が売れなくて困ったら棟内投函です。

 

お客様(買主)が見つかったら

自分の物件を買いたい!というお客様が見つかれば、物件の内見をしてもらいます。

 

そこで購入の意思が固まれば、住宅ローンの事前審査を行います。年収や職種、勤続年数、過去の滞納履歴などお客様のスペックがモノをいいますので、私達に出来ることはありません。 

 

ここでも、ただ神に祈りましょう。

 

※住宅ローンがそもそも降りない物件もあります。(借地権、再建築不可物件等)

そういった場合は現金で支払えるブルジョワジーとの巡り合わせが必要となります。

 

不動産売買契約(売却時)

住宅ローンの事前審査を通過したら買主との売買契約を結びます。

 

仕入れ時同様、仲介さんがいればハンコだけ持参して契約に臨みましょう。

会社と買主の直接取引の場合は、書類の作成と契約日の設定等の段取りを組む必要があります。

 

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また、契約日から残金決済日までの間に買主には住宅ローンの本審査を受けてもらいます。

ここでは団体信用生命保険へ加入の必要があるため健康状態に問題がある場合や、脱税だったり結構グレーなことをしてる場合に引っかかります。

 

本審査を通過したら晴れて残金決済日を迎えることができます。

金銭の授受が完了すれば、物件を引き渡して事業の利益が確定して終了です。

 

これにてマンション買取業者の一連の仕事内容の紹介を終わります。

 

残業、休日、宅建士免許などエトセトラ

残業について、不動産業なので閑散期と繁忙期がはっきり分かれています。

年末から3月にかけては忙しいですが、夏場は特に案件も少なく暇な時期を過ごします。

なので、働くときにはしっかり働いて休むときはしっかり休める業種だと思います。

 

休日は不動産業界にありがちな火、水曜日休みの会社が多いです。稀に土日休みの会社もあります。 

 

宅建士免許ですが、不要とは言い切れません。

基本的に案件を仲介さんから貰う場面が多く、契約の際も仲介さんが間に入るので宅建免許はなくても何とかなります。 

 

ただ、売主と会社との直接取引の場合や、税理士さんや離婚カウンセラーなんかの他業種から案件を貰った場合は、契約書作成や売主に対する重要事項説明書の読み合わせが必要になるため宅建士免許が役立ちます。

 

また、個人的な主観によるマンション買取営業の男女比ですが、男性70%以上の女性30%以下ですね。男性の方が明らかに多い印象があります。

 

とはいえど、力仕事があるわけでないので男女の違いが営業成績に差を生むことはありません。 

 

おわりに

これにてマンション買取からリノベーションをして再販売までの流れの説明を終わります。

 

ここまでで7,000文字を超える長丁場でしたが、お付き合いいただいて誠にありがとうございました。

 

比較的、未経験者でも参入しやすい業界だと思いますが、やはり不動産業のため契約時に宅建士免許が必要になる場面はあります。

 

宅建なんて一年目で取っちゃいましょう!!

(ここだけの話、仲介業者はみんな宅建士免許を持っているがマンション買取再販業者は持ってない人が結構いる。)

 

資格がないから転職できない!とかそういう考えは綺麗さっぱり捨て去って、この業界に飛び込んでください!

 

私は特殊なスポンジ片手に、あなたと働ける日を楽しみにしています。