不動産投資を始めるなら、一番気になるのは利回りではないでしょうか。
簡単に言うと、利回りとは投資資金を何年で回収できるかの割合です。利回り10%であれば投資資金を10年で回収できます。
そして、そんな利回りは大まかに分けると表面と実質の2種類があります。
今回はその代表的な2種類の利回りについて、簡単な例を交えつつ解説していきます。
表面利回り
表面利回りは不動産投資で最も一般的な利回りの表し方であり、多くのポータルサイトや販売図面で使われています。
計算式は、年間収入 ÷ 物件価格です。
【具体的な計算例】
- 家賃収入 :10万円(月額)
- 物件価格 :2,400万円
①まずは月々の家賃収入をかけ合わせて、年間の収入を計算します。
10万円(月額家賃)×12(ヶ月)
=120万(年間収入)
②次に年間収入を物件価格で割ります。
120万円(年間収入)÷2400万円(物件価格)×100
=5%(表面利回り)
このように簡単な計算で物件の収益性を手早く推測できるのが表面利回りの利点です。
その反面、不動産の維持費用や購入時の諸費用が計算に組み込まれていないので、実質利回りと比べて収支の正確性が低いです。
実質利回り(NET利回り)
先程の例を踏まえて、実質利回りでの試算も見ていきましょう。
実質利回りは、
(年間収入 − 維持費用) ÷ (物件価格 + 購入の諸経費)
で算出されます。
表面利回りの式にはない、維持費用と購入の諸経費が新しく追加されました。
この二つの費用が計算に加わることによって、より正確に利回りを計算することができます。
では、実質利回りの具体的な計算例を紹介する前に、この維持費用と購入時の諸経費とは何なのかを見ていきましょう。
維持費用
不動産の維持のためには様々な費用がかかります。
- 建物管理費
- 賃貸管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税(固都税)etc....
実際の年間収入を計算するために、投資不動産ごとにかかる維持費用を年間収入(家賃12ヶ月分)から引きます。
投資不動産の種類ごとの維持費用をグラフにするとこんな感じです。↓
建物管理費 | 賃貸管理費 | 修繕積立金 | 固都税 | |
マンション | ○ | ○ | ○ | ○ |
アパート | ○ | ○ | ○ | |
戸建て | △ | ○ | ||
土地 | ○ |
不動産の維持費用について詳しい解説はコチラ↓
購入の諸費用
物件購入時には様々な手数料や税金がかかります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 不動産取得税
- ローン事務手数料 etc..
実際の物件取得費用を計算するために、上記の手数料や税金を物件価格と合算する必要があります。
物件取得の際にかかる主な諸費用を表にしました。↓
仲介手数料 | (物件価格×3%+6万円)×消費税 |
ローン事務手数料 | 物件価格×2% |
登記費用 | 登記にかかる税金+司法書士の手数料 |
不動産取得税 | 固定資産税評価額による |
その他 | 印紙や火災保険料など |
詳しい諸経費の解説や計算についてはこちらの記事を参照ください。↓
実質利回りの計算
これまで年間費用と購入の諸経費について簡単な解説をしましたので、いよいよ実質利回りの計算を考えていきます。
投資不動産は一般的な区分所有を選びました。
東京の平均表面利回りである5%を主軸において、他の項目は仮の数字を当てはめていきます。 ↓
年間収入 | 120万円 |
建物管理費 | 0. 5万円(月額) |
賃貸管理費 | 0. 5万円(月額) |
修繕積立金 | 1万円(月額) |
固都税 | 5万円(年額) |
物件価格 | 2,400万円 |
仲介手数料 | 80万円 |
不動産取得税 | 15万円 |
登記費用 | 10万円 |
ローン手数料 | 50万円 |
①まずは、実際の年間収入を計算します。
先ほどの表から関連部分を抜き出しました。↓
年間収入 | 120万円 |
建物管理費 | 0. 5万円(月額) |
賃貸管理費 | 0. 5万円(月額) |
修繕積立金 |
1万円(月額) |
固都税 | 5万円(年額) |
年間収入−維持費用=実際の年間収入
なので、数式に当てはめると、
120万(年間収入)
− 12万(年間修繕積立金)
− 6万(年間建物管理費)
− 6万(年間賃貸管理費)
− 5万(固定資産税等)
= 91万円(実際の年間収入)
実際の年間収入は91万円となりました。
②次に実際の物件取得費用を計算します。
物件価格 | 2,400万円 |
仲介手数料 | 80万円 |
不動産取得税 | 15万円 |
登記費用 | 10万円 |
ローン手数料 | 50万円 |
表内の費用を全て合算すると、
2,400万円(物件価格)
+80万円(仲介手数料)
+15万円(不動産取得税)
+10万円(登記費用)
+50万円(ローン手数料)
=2,555万円(実際の物件取得費用)
実際の物件取得費用は2,555万円となります。
③実質利回り計算
実際の年間収入÷実際の物件取得費用×100
=実質利回り
のため、数式に当てはめると
91万円(実際の年間収入)
÷2,555万円(実際の物件取得費用)
×100(%)
=3.561644.....
この例の実質利回りは約3.5%です。
2つの利回りの違い
表面利回りと実質利回りの違いが理解できましたでしょうか。
簡易的に不動産の収益を計算する時は表面利回り、より明確に収益を測るならば実質利回りの計算が適しています。
そして、投資物件を購入する際は必ず、実質利回りで計算をしましょう。
表面利回りが高くとも、ランニングコストが高額で実際の収益性が低い物件が不動産界には多く存在します。
それら負動産の購入を避けるためにも、最低限の収支計算はできるようにしておきましょう。
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