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【マンションの修繕積立金はどれくらい?】相場とか当てにならないよ!

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こんにちは!マンション買取再販の営業をしていると「とんりぷ」です。

今回はマンションの修繕積立金についてお話しようと思います。 

 

マンション購入の際にあまり気にしない方が多い反面、非常に大切な要因なので取り上げてみようと思いました。

 

修繕積立金は、ただの維持費ではないのです。

 

 

修繕積立金とは

修繕積立金とはマンションの外壁や共用部の修繕工事に備えて、毎月徴収して積み立てておく資金のことです。

 

漏水や災害でマンションが損害を被る緊急時にも、この修繕積立金の資本を用いて建物を修繕します。 

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また、徴収の方法ですが毎月マンションごとに決まった額を管理組合に納める形が一般的です。

 

簡単に言うと、「このマンションが壊れたときの修繕費を前もってみんなで貯めとこうぜ!」といったシステムがこの修繕積立金制度です。

 

大規模修繕工事

大規模修繕工事とは、管理組合が作成した長期修繕計画に従って定期的に行われる大がかりな修繕工事のことです。

 

12〜18年ほどの周期で行われ、外壁から配管、共用部まで手広く修繕します。修繕積立金の大半はこの大規模修繕工事の費用に当てられることになります。

 

国土交通省「マンションの実態調査 」に大規模修繕工事の費用総額の相場や戸数ごとの大まかな負担率がまとめてありました。

 

※リンクを貼りたいのは山々なのですが、何故か国土交通省HPの大規模修繕関連のページは「保護されていない通信」になっているため控えます。
 

エクセルで「マンションの実態調査 」による大規模修繕の費用総額の内容をを簡単な表にしました。

総戸数 大規模修繕1〜3回目まで
~20戸 2000万〜6000万
21~30戸 2000万〜6000万
31~50戸 2000万〜1億
51~75戸 2000万〜1億
76~100戸 2000万〜1億5000万
101~150戸 2000万〜2億5000万
151~200戸 2000万〜3億
201~300戸 4000万〜5億
301戸~ 4000万〜5億超

※上記は大規模修繕の1〜3回目までの最小値と最大値を記載しています。

 

この調査によれば、総戸数が20戸以下のマンションで6000万円も修繕がかかっているケースがありますね。

 

どう見積もっても、1住戸あたりの負担額が300万円を超えています。

 

また、1戸あたりの大規模修繕費用の負担額の統計では75〜100万円が全体の30%と最も多く、続いて100〜125万が24.7%、50〜75万円が13.8%となっています。

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国土交通省による適正額 

この修繕積立金ですが、いくら払うのが適正なのかを国土交通省がまとめていましたのでそちらを引用しながら説明していきます。このページは保護されていました。)

www.mlit.go.jp

 

国土交通省のガイドラインによると、修繕積立金の適正額は150〜250円/㎡程です。

マンションの専有面積を25㎡と仮定するとアッパーで月々約5,000円が適正額になります。   

 

ただ、現状は適正額だとしても今後どうなるのか分からないのが修繕積立金の落とし穴。

大きな損をしないためにも、修繕積立金の額がどのような要因に影響を受けて変動していくのかを、しっかりと捉える必要があります。

 

修繕積立金の額に影響を及ぼす要因

修繕積立金の月額はマンションによって様々です。

専有面積は同じなのに、月々5万円以上かかる住戸もあれば、1万円を切る比較的安価な住戸も存在します。

 

では、このような修繕積立金の格差はなぜ起こるのでしょうか。

 

築年数 

当然ですが、マンションの老朽化が進むにつれて修繕の頻度は増えます。修繕の頻度が増えればその分多くの資金が必要となるので、月々の修繕積立金の支払いは増額されていく傾向にあります。

 

つまり、築浅物件の修繕積立金の額は比較的安く、築古になればなるほど高額になっていくということです。

人間も歳をとれば病院に行く回数が増えてしまうのと理屈は同じですね。

 

総戸数

修繕積立金の月額にもっとも影響を与える要因は総戸数です。

総戸数が少ないマンションでは、一人当たりの修繕費の割合が大きくなるため月額が高くなりがちです。

 

一方、総戸数が多い大規模マンションの場合は、エレベーターやエントランスホールの修繕費を大きい母数で割るため1住戸あたりの負担分が少なく済みます。

 

また、同上に管理費も総戸数が多ければ1住戸あたりの負担額が安くなる傾向があります。 

 

総戸数の目安ですが、50戸以上をお勧めします。

1〜20戸程の小規模マンションは、修繕積立金の月額がハンパないことになりかねません。(月々4万とか)

 

仕事柄、様々なマンションを買取再販してきましたが、小規模マンションは修繕積立金問題が顕著に表れているケースが明らかに多いです。

 

マンションのグレード

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マンションのグレードが高ければ、使われている部材も比例して高額になるため修繕費用が増えます。 

特にタワーマンションのような高層建築物は、外壁修繕のためにゴンドラを屋上から吊るさなければなりません。

 

このゴンドラ費用が、人件費含めてバカ高いです。

 

雨風ですぐに作業は止まるし、ゴンドラに乗れる作業員の数は限られるし、期間もかかるのでコストアンドパフォーマンスは最悪ですね。

 

ただ、タワーマンションに住みたいと思う人でコスパがどうとか考えてる人はいないのでモーマンタイです。

 

機械式駐車場etc... 

機械式駐車場は食わせ者で、1台あたり年間1〜2万円近くの維持費がかかります。 

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20年近く経って交換の時期になると1台あたり100万円ぐらいの費用になりますので修繕積立金を結構圧迫します。

 

他にも、トレーニングジムやら展望ラウンジなどの充実した共用施設が意外に修繕費を必要としたりするケースもありますね。 

 

また、団地などの老人が多いマンションはバリアフリー化したりするので余計に費用がかかります。

それに加えて、団地は分譲時から長らく住まれてる方が多いので、年配者の議決権の割合が多い傾向にありますね。

 

修繕積立金が安すぎると? 

修繕積立金制度がそもそもなかったり、あっても月々2000円程度の維持コストが格安のマンションが世の中にはあります。

このようなマンションには修繕積立金が殆ど貯まりませんよね。

 

では、修繕積立金が安すぎるマンションにはどの様な問題が起こるのでしょうか。

 

ゴーストマンション 

修繕積立金の大半は、先述の通り12〜18年周期で訪れるマンションの大規模修繕の際に使われます。

 

この大規模修繕の際にマンション修繕積立金が足りなければ、区分所有者は不足分を一時金として支払わなければならなくなります。 

マンションのグレードや規模にもよりますが、数十万円から場合によっては100万円程まで支払うケースもありますね。

 

この一時金が払えない区分所有者が多いマンションでは、大規模修繕工事がどんどん後ろ倒しにされるようになります。

そして、外観が錆びれ、配管から漏水した末に誰も住めなくなりスラム化します。

 

あなたの街のゴーストマンションも、もしかすると修繕積立金制度の破綻が原因かもしれませんね....

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修繕積立金の目安を考える

ここまで修繕積立金について読んでわかる通り、目安はマンションによって変わってきます。

そのため、目安の判断の仕方についてここで簡単にまとめます!ゴーストマンションを買ってしまわないためにも、これだけはチェックしておきましょう。

 

まず、マンションにはそれぞれ管理会社が発行する重要事項調査報告書、通称「重調」と呼ばれる資料があります。

この重調には、現在の修繕積立金の総額や修繕の履歴を含め様々なマンションの管理情報が記載されています。

 

修繕積立金の額が適正であるかどうかを知るために、重調に記載されているこれまでの修繕履歴を確認しましょう。

ここで、定期的に修繕が行われているかどうかや、修繕箇所が把握できます。

 

そして、次の大規模修繕はいつなのか、そのために必要な修繕積立金はどれ程貯まっているのかを仲介に聞きましょう。

 

マンションの長期修繕計画書を見せてもらうのは個人的に必須だと思います。

 

現在の修繕積立金額で今後の修繕が賄える計画が整っているかを簡単に試算するのも◎です。

 

計算の例

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総戸数50戸、1住戸あたり毎月1万円の修繕積立金を払っているマンションがあったとします。

大規模修繕工事が5年後に控えており、長期修繕計画では約3000万円程の工事費を見込んでいたとしましょう。

加えて、現在の修繕積立金の総額は500万円とします。

 

この場合、大規模修繕にかかる工事費から毎年の修繕積立金の増加分と現在の修繕積立金総額を合わせたものを差し引いて資金が余れば、工事は問題なく行うことができますね。 

 

【整理】

大規模修繕費    :3000万

修繕積立金総額   :500万

月額        :1万

総戸数       :50戸

大規模修繕までの年数:5年  

 

【式】

3000万ー

(1万×12ヶ月×50戸×5年+500万)

=500万

 

このケースですと約500万円の修繕積立金が余りますので、大規模修繕以外に小さな補修工事があったとしても大丈夫です。破綻の可能性は低いと判断できます。

 

まとめ

現在は相場額だからと言って安心できないのが修繕積立金の怖いところですね。

マンションごとに大規模修繕にかかる費用も異なるので、一概にいくらが適正とは言えません。 

 

そのため、購入するマンションの長期修繕計画や現在の修繕積立金総額、月額の支払いを照らし合わせてみることが大切です。

 

今後の修繕を賄える段取りが組んであるのかを必ず確認してから、購入の手続きに移りましょう。

 

追記.....

建て替え 

マンションが修繕ではどうしようもないほどの老朽化した時は建て替えを検討することになります。

 

区分所有者の2/3の賛成を持って建て替えが可能となります。

 

この建て替えの際にも修繕積立金を使うのですが、建て替え決議が通るマンションは非常に稀なので今回は割愛します。 

※今後建て替えについても記事にします。